プロジェクトの目的

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本プロジェクトでは,認知症に対する「優しい介護」の技術(スキル)に着目し,

  1. 介護動作をウェアラブルセンサや人工知能(AI)等を用いて計測
  2. 脳活動計測で「優しい介護」を行う際の感情認知機構を理解 得られた情報を統合して「優しい介護とは何か」を解明します。それに基づき,
  3. 介護のスキルを学べる手法やシステムを開発します.優しい介護が被介護者に有効かを可視化する技術も併せて開発し,
  4. 実際の医療現場や介護現場において計測・実証確認し有効性を検証します。

介護スキル体系として国際的に知られている「ユマニチュード」を対象とします.ユマニチュードは見つめる,触れる,話しかける,立たせるの4スキルを軸とし,同時に複数の要素を包括的にシームレスに行なうマルチモーダルなコミュニケーション技術で,それぞれに細目が存在します. ユマニチュードは被介護者の闊達を促し介護者には負担を軽減する「優しい介護技術」であり,本研究ではこのスキルを計算的・脳科学的に解明することを目指します.

計算的には「見つめる」スキルを画像認識,「触れる」スキルを接触・筋電,「立たせる」のスキルをモーションキャプチャと動力学解析,「話しかける」スキルを音声情報を用いて解析し,実介護現場での観察による複数スキルの統合手法を参照しながら,良い介護スキルとそうでないもののの違いは何であるかをセンシングデータで客観的に把握できるようにします.

次に,優しい介護の認知的な側面を探求する取り組みとして,ユマニチュードのスキルを被介護者が経験した際の認知の変化を,表情筋活動や脳活動(fMRI)の計測を通じて定量化します.これにより,ユマニチュードのスキルによって優しさや温かさといったポジティブな感情が喚起されるという提案を実証的に検証,さらに,そうした認知変化を生み出す脳内作用メカニズムを解明します.

上記の計算的・脳科学的解析から介護スキルを抽出できると,ウェアラブルデバイス・IoTを用いて,介護のスキルを自動評価できるシステムの実装が可能になります.これらを医療機関や介護施設で試験導入し「優しい介護」を学ぼうとする学習者自らが,スキルを自己学習することが可能になるかを検証します.

  • プロジェクト紹介ビデオ

研究体制

 
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研究分担者:倉爪亮(九州大学システム情報科学研究院)

研究内容 :身体動作・話しかけるスキルの計測・定量化

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研究代表者:中澤篤志(京都大学情報学研究科)

研究内容 :「見つめる」スキルの定量化

 
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研究分担者:佐藤弥(理化学研究所 ロボティクスプロジェクト)

研究内容 :スキル習得の脳科学的理解

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研究分担者:本田美和子(国立病院機構・東京医療センター)

研究内容 :優しい介護スキルの実践・効果検証

 
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研究参加者:吉川左紀子(京都芸術大学 学長)

研究内容 :スキル習得の脳科学的理解

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研究参加者:石川翔吾(静岡大学情報科学科)

研究内容 :優しい介護スキルの実践・効果検証

 
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研究参加者:高松淳(奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科)

研究内容 :「見つめる」スキルの定量化


添付ファイル: filesato.jpg 777件 [詳細] filehonda.jpg 758件 [詳細] filetakamatsu.jpg 698件 [詳細] filekiriyama.jpg 738件 [詳細] filesakane.jpg 728件 [詳細] fileyoshikawa.jpg 717件 [詳細] fileishikawa.jpg 709件 [詳細] filenakazawa.jpg 820件 [詳細] filekurazume.jpg 730件 [詳細] filemain-pic.png 927件 [詳細]

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Last-modified: 2022-08-09 (火) 09:46:02 (229d)